第16 回 Unamortization Tax
日本の消費税に当たるのがタイの付加価値税(VAT)。
対象が物販であるかサービスであるかに関わらず、実際にあった取り引きに対しては月次決算と申告が義務づけられています。
ここで注意が求められるのは、物販とサービスによって、会計上の処理に大きな違いがあるということ。
日本にはない仕組みですので、正しい理解と運用が求められます。
◆物販のケースのVATについて
モノが介在する取り引きではVATは先払いとなりますから、取引時に発行される請求書には「Invoice / Tax Invoice」との記載が必要です。
一方、入金確認後の「領収書」についてはVATの処理はもう終わっているため、単に「Receipt」とするだけで足ります。
勘定科目上も当初からVATとして処理しておくので何の問題もありません。
◆サービスのケースのVATについて
これに対し、サービスの場合はVATが後払いとなります。
VATが後払いとなるため、当初発行する請求書は単なる「Invoice」という記載となり、入金があってから取引先に交付する「請求書」に「Receipt / Tax Invoice」と明示する必要が生まれます。
会計処理も同様で、Invoice発行時点では仮払い勘定科目(Unamortization Tax)に当て、入金があってからこれをVATに振替えという手続きを踏みます。
サービスに対する一連の会計上の手続きを、俗に「Unamortization Tax」と呼んでいます。
タイ人の経理担当者の間も「アモーTax」と省略されて呼ばれるのがそれです。
なお、サービスとは言いますが、それが示す範囲は広範で、機器等のレンタルなども含みます。
いわゆる物販以外は全てサービスと考えておくのがよいでしょう。
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