海外でのカスタマイズはどうあるべきか
どういう処理でカスタマイズが発生するのか
- 一番に上げられるのは、帳票類です。少なくともInvoice、Delivery Note、Credit Note、Purchase P/Oなどは必須となります。
- 各ユーザにおいて、固有名詞が業界特有で汎用ソフトエアと違う場合、その固有名詞をカスタマイズしたい。また、各種マスタや業務処理で項目を追加したい
- 他のソフトウエアと接続する場合、ソフトウエア間を接続するインターフェイスをカスタマイズする必要がある。
- その他、EDIの取込み、汎用ソフトウエアにない処理を追加するなどがあります。
カスタマイズをした時のメリット・デメリット
カスタマイズのメリット
- ユーザの今ある業務を比較的変えずにすむ。
- 特殊な業界においてはカスタマイズしか選択肢はない。個別受注に多い
カスタマイズのデメリット
- ソフトウエア全体のバージョンアップが難しい。
- ユーザまたはベンダーの担当者や日本人が変わると、カスタマイズの全容がわからず保守できなくなる。
- カスタマイズには費用と時間がかかる。(ノンカスタマイズの約2倍)
- カスタマイズ自体が相当のリスクを伴う。
カスタマイズを実施した場合のデメリットの最大の問題点
一般的にカスタマイズしたソフトウエアは、バージョンアップができないことが普通です。これは何を意味するかというと、カスタマイズをした時からソフトウエアの陳腐化が始まることです。カスタマイズ前の本体ソフトウエアは常に改善されていますがその恩恵が受けられません。
「ユーザまたはベンダーの担当者や日本人が変わると、カスタマイズの全容がわからず保守できなくなる。」が海外では大きな問題です。保守できなくなったソフトウエアはソフトウエアとしての寿命が終わったことを意味します。ベンダー側ではユーザ別にカスタマイズを管理する必要があり、新バージョンでは可能な処理が、カスタマイズソフトがどのような状態かがわかり難く保守に混乱をして今います。
では、カスタマイズしないと業務が実施できない。どうしたらいいのかということが次の話題です。
カスタマイズのデメリットを克服する手段
カスタマイズの実践例
SimLexソフトウエアでのカスタマイズの状況
SimLexのソフトウエアは、ERP・生産管理システム・販売管理システム・在庫管理システム・会計ソフトに分かれておりカスタマイズ率は以下の通りです。
Excelによるフォーマット変更と項目追加 142社(100%)
外付けカスタマイズDLLソフトウエア 6社(4%)
上記で外付けカスタマイズDLLソフトウエアによるカスタマイズが少ないのは、SimLex自体の業種別パラメータ設定によりプログラムレスで対応可能なためと考えます。
SimLex Developmet Co., Ltd. 古賀 敏生
九州大学を卒業後、大手ベアリング会社に就職し生産技術研究所にて工程設計を経験し、38才で独立後スケジューラ・生産管理システムを中心とした開発・販売を実施した。その後、タイにてSimLex Development Co., Ltd.を設立し、0ベースよりERP・生産管理システム・会計システムを開発・販売し現在に至る。