第17 回 タイ式決算書と日本式決算書との違いについて
タイ式の決算書と日本式ではかなりの差があります。
これは日本が管理会計を主体として発展しているのに対し、タイでは税務のための会計になっていることが起因していると思われます。
◆タイ式貸借対照表(BS)
Assets(資産)、Liablities(負債)、Capital and Equity(資本及び剰余金)に分けて集計し、製造原価(Cost of Goods Sold)の表示はない。
◆タイ式損益計算書表(PL)
Sales(売上高)、Cost of Goods Sold(製造原価)、Expense(管理費)、Corporate Tax(法人税)に分けて集計し、粗利益と税引後利益が表示されます。
営業外収益はSales(売上高)に含まれます。
◆日本式貸借対照表(BS)
Assets(資産)、Liablities(負債)、Capital and Equity(資本及び剰余金)に分けて集計し、製造原価(Cost of Goods Sold)は表示されます。
◆日本式損益計算書表(PL)
Sales(売上高)、Cost of Goods Sold(製造原価)、Expense(販売費及び一般管理費)、Non operating profit and loss(営業外収益及び費用)、Extra ordinary profit and loss(特別利益及び損失)、Corporate Tax(法人税等)に分けて集計し、粗利益・営業利益・経常利益・税引前利益・税引後利益が表示されます。
日本の決算書は日本人から見るとまったく普通なのですが、特に損益計算書において日本式の方がかなり細かく管理されています。
一方タイ式はかなりおおざっぱで、拍子抜けします。しかし、ローカルの小さい会社でも会計処理は行っていますので致し方ないところです。
では日本式の会計をタイで実施できないかとというとそうでもなく、日本式で会計処理を行い、決算時に別途タイ式にしてAuditorに提出してもよいです。
海外では管理レベルに合わせ、柔軟な対応が望まれます。
- カテゴリー
- 会計入門